「特許・実用新案審査基準」の改訂案の公表について (2015.07.09)

「特許・実用新案審査基準」の改訂案の公表について

「特許・実用新案審査基準」の改訂案(特許庁)

特許・実用新案審査基準の改訂案が公表され、意見募集がかかっています。
かなり大きな改訂ですので、改訂後はチェックが必要になりそうです。

私もざっと見てみましたが、大きく気になる点がありました。
①「進歩性
「審査官は、本願の明細書中に本願出願前の従来技術として記載されている技術について、出願人がその明細書の中でその従来技術の公知性を認めている場合は、出願当時の技術水準を構成するものとして、これを引用発明とすることができる。」

従来は「本願の明細書中に本願出願前の従来技術として記載されている技術は、出願人がその明細書の中で従来技術の公知性を認めている場合は、出願当時の技術水準を構成するものとしてこれを引用して請求項に係る発明の進歩性判断の基礎とすることができる。」とあり、出願当時の技術水準を構成するものとして引用するに留まっていました。

なお、出願に係る発明を示す図面を一部変更した図面で従来技術を説明する事例が散見されますが、改訂後の審査ではこのような図面自体が引用発明となり得ることに注意が必要です。
まぁ、米国のAAPA(applicant admitted prior art)と同様な取り扱いになるということでしょう。

②「明確性要件
「選択的事項について、それが、上位概念で記載された発明特定事項の単なる例示にすぎないものと理解できる場合(例えば、「アルカリ金属(例えばリチウム)」といった表現がされている場合)は、発明の範囲は明確である。」

特に外内案件について、上記のような「例えば・・・」を削除する自発補正を行うことがありますが、今後は不要になることも多いと思われます。
手間が一つ減りますね。

③「新規事項を追加する補正
「補正された事項が3.1※1及び3.2※2のいずれにも該当しない場合であっても、「当初明細書等に記載した事項」との関係において新たな技術的事項を導入するものでなければ、その補正は許される」
管理人付記:※1.「当初明細書等に明示的に記載された事項にする補正」、※2.「当初明細書等の記載から自明な事項にする補正」

従来の審査と実質的に変わりませんが、明示、自明以外の類型として明確になったのはうれしい変更です。

【関連記事】
「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する当面の審査について」

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コメント

条文の位置

いつも情報、ありがとうございます。
ところで今回の審査基準案では、今までの条文⇒逐条解説⇒運用から、運用⇒(章の最後にまとめて)条文の順になってしまいましたね。
ますます、裁判では尊重されなくなりそうな・・・

逐語的な解釈

すみません。
「逐条解釈」ではおかしいですね。
「逐条解釈でよく行われるような逐語的な条文解釈」です。

Re: 逐語的な解釈

通りすがりさん

コメントありがとうございます。
見やすさを重視したレイアウト変更だと思いますが。
どうなんでしょうね。

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