「特許出願中」の表示が優良誤認となるわけ? (2014.04.22)

「特許出願中」の表示が優良誤認となるわけ?

弁理士アッカーの運まかせ人生様に触発されてみました。


さて、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)第4条第1項第1号は、
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、「一般消費者に対し」、
①実際のものよりも著しく優良であると示し、又は
②事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す「表示であって」、
「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」
を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。

例えば、「国産有名ブランド牛の肉であるかのように表示して販売していたが、実はブランド牛ではない国産牛肉だった」ような場合には、優良誤認表示に該当するそうです。
※「優良誤認表示の具体例


ここで表示とは、
•商品、容器又は包装による広告その他の表示及びこれらに添付したものによる広告その他の表示
•見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似するものによる広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)
•ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーン、その他これらに類似するものによる広告及び陳列物又は実演による広告
•新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
•情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)
等が該当するそうです。

また、「著しく優良である」か否かは、業界の慣行や表示を行う事業者の認識により判断するのではなく、「表示の受け手である一般消費者に著しく優良と認識されるか否か」という観点から判断されます。


さて、では本題の「特許出願中」の表示が優良誤認表示となるか否かですが、
消費者庁に以下のような質問をしてみました。

Q「ある製品について特許出願中である。当該特許を利用した製品のカタログに特許出願中である旨の表示をしたいのだが、優良誤認表示の観点から問題があるか?」

消費者庁による答えは、
①「特許出願中」の表示が特許取得済と取られる可能性があるので、一般消費者に誤認されないように工夫して欲しい。
②誤認を生じさせない具体的な表示方法については、事例がない。
③製法特許に過ぎないのに、品質と関連して「特許取得済」と記載したことにより、一般消費者に優良誤認を生じさせると判断された事例がある。
④個別具体的な事例について、どのような表示が優良誤認となるかは判断できない。


ということで、基本的に消費者庁は、
①「特許出願中」の表示は、一般消費者に特許取得済と誤認を生じさせる。
②「特許」の表示は、一般消費者に著しく優良であるとの認識を生じさせる。

という判断のようです(あくまで私の感想です)。


ただし、実際に「実際のものよりも著しく優良である」と認識されるかどうかは、個別具体案件になるようなので、単純に「特許出願中」の表示が危険というわけではないと思われます。
とはいえ、リスク回避の観点からか、
『「特許」取得、及び出願中である旨の表現は、一般消費者に優良な商品であるかのような誤認を与える恐れがあるため、事実であっても表現してはなりません。』
というサイトもあるので、一律禁止というのも簡易判断としてはあり得るのかと思います。

補足(私見):たぶん、こういう感じなので、問題になる事例は少ないと思います。
①「特許出願中」と「「特許取得済」は一般消費者にとって同義に認識される。
②「特許」は、一般消費者にとって品質について優良であるという意味に認識される。
③ただし、実際に品質が優良であれば誤認は生じない。
④また、「特許」が品質と関連せずに表示されていれば誤認は生じない。

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コメント

ありがとうございます!

消費者庁にお問合せまでして頂き、ありがとうございます!

消費者庁としては、「特許申請中」の表示は自己責任。ある程度の数のクレームが付くようであれば、優良誤認表示と認定するから、それだけは覚悟しておけ。ってところでしょうか?

この曖昧さにより、みんなが安全サイドに動いて必要以上に拡大解釈され、「特許申請中」は一律禁止ということにならないよう、個人的には祈っています。

業界にもよると思いますが、品質アピールというより、他社牽制の意図が強いですから。勝手に誤解しないで~って。

Re: ありがとうございます!

アッカーさん

コメントありがとうございます。

さて、こちらこそよい勉強の機会を頂いて感謝しております。
釈然としない思いはあるのですが、リスク回避も必要かとは思っています。

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