ニュース-佐村河内守氏、著作権使用料請求で勝訴 (2017.01.24)

佐村河内守氏、著作権使用料請求で勝訴

ゴーストライターで騒動になった佐村河内守氏が、損害賠償請求事件の反訴として争っていた著作権使用料請求事件で勝訴したようだ。
認められた使用料は約400万円になる。

平成27年(ワ)第6107号

ただし、損害賠償請求事件(本訴)では敗訴しており、約5700万円の支払いが命じられているので、実質敗訴ともいえる。

判決では、平成11年以降ずっと全ろうのまま作曲をしていたことは虚偽の事実であると断定されたが、
新垣隆氏との間で、全ての楽曲の著作権等が譲渡済みであるとの確認書が作成されており、
佐村河内守氏が著作権者として認定された

なお、佐村河内守氏が事実を告げずに、原告(株式会社サモンプロモーション)に対して全国公演を行うことを了承し、
さらには公演数を増やすように強く申し入れるなどして、公演を企画・実施するに至らせた行為が、
不法行為として認定されている。

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大合議判決の紹介 (2017.01.23)

大合議判決の紹介

存続期間が延長された特許権の効力が及ぶ範囲(特68条の2)に関する大合議判決です。
なお、来年の試験範囲に含まれ、出題可能性もありますので一度は目を通しましょう。
結論としては、『特68条の2に規定する存続期間が延長された特許権の効力は、延長登録の理由となった政令で定める処分の対象となった物のみならず、これと実質同一なものにも及ぶ』です。

平成28年(ネ)第10046号『特許権侵害差止請求控訴事件』
存続期間が延長された特許権(特許第3547755号)に基づいて、デビオファーム(スイス)が東和薬品を訴え、その特許権の効力が及ぶ範囲(特68条の2)が争点となった事例。

対象製品(被疑侵害品)の効能・効果及び用法・用量は、本件特許権の延長登録の理由となった政令で定める処分の対象となった物(エルプラット)と同一であったが、安定剤(薬理作用を示さない)として濃グリセリンをさらに含む点で異なっていた(成分が異なる)。そこで、対象製品が、政令で定める処分の対象となった物と実質同一物であるか、すなわち存続期間が延長された特許発明の技術的範囲に属するか否かが争われた。

この点、大合議は、
①医薬品の承認に必要な審査対象事項のうち、実質的同一性に直接関わる「成分、分量、用法、用量、効能及び効果」の範囲で、特68条の2に規定する「物」及び「用途」を特定し、延長された特許権の効力範囲を画する
②「成分、分量」は「物」を特定する要素に該当し、「用法、用量、効能及び効果」は「用途」を特定する要素に該当する(なお、承認に必要な審査対象「成分」は有効成分に限定されないからので、ここでも有効成分に限られない)
③しかし、完全一致でなければ権利行使を免れるとすれば、延長登録の制度趣旨に反するのみならず、衡平の理念にもとる結果になる。したがって、存続期間が延長された特許権に係る特許発明の効力は、「成分、分量、用法、用量、効能及び効果」によって特定された「物」のみならず、これと実質同一なものにも及ぶ
④したがって、異なる部分が僅かな差異又は全体的にみて形式的な差異にすぎないときは、対象製品(被疑侵害品)は、医薬品として政令処分の対象となった物と実質同一なものに含まれ、存続期間が延長された特許権の効力が及ぶ
僅かな差異又は全体的にみて形式的な差異かどうかは、特許発明の内容(技術的特徴及び作用効果)との関連で、政令処分の対象となった物と対象製品との技術的特徴及び作用効果の同一性を比較検討して、当業者の技術常識を踏まえて判断する
と示した。

具体的に対象製品が「実質同一なものに含まれる類型」は、
①医薬品の有効成分のみを特徴とする特許発明に関する延長登録された特許発明において、有効成分ではない「成分」に関して、対象製品が、政令処分申請時における周知・慣用技術に基づき、一部において異なる成分を付加、転換等している場合
②公知の有効成分に係る医薬品の安定性ないし剤型等に関する特許発明において、対象製品が政令処分申請時における周知・慣用技術に基づき、一部において異なる成分を付加、転換等しているような場合で、特許発明の内容に照らして、両者の間で、その技術的特徴及び作用効果の同一性があると認められる場合
③政令処分で特定された「分量」ないし「用法、用量」に関し、数量的に意味のない程度の差異しかない場合、
④政令処分で特定された「分量」は異なるけれども、「用法、用量」も併せてみれば、同一であると認められる場合
であるとし、これらは「僅かな差異又は全体的にみて形式的な差異」に当たり、対象製品は実質同一なものに含まれると示した(【注意】「用法,用量,効能及び効果」における差異がある場合は、この限りでない)。

そして、本件特許発明においては、オキサリプラティヌム水溶液において、有効成分の濃度とpHを限定された範囲内に特定することと併せて、何らの添加剤も含まないことも、その技術的特徴の一つであるとして、対象製品(オキサリプラチンと注射用水以外に添加物としてオキサリプラチンと等量の濃グリセリンを含むもの)との才は、僅かな差異又は全体的にみて形式的な差異であるということはできず、実質同一なものに含まれるないと判示した。

なお、「実質同一なもの」が、均等論(ボールスプライン事件最判)上の均等物とは異なることを強調している。

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弁理士が身につまされる判決集 (2017.01.23)

弁理士が身につまされる判決集

New 平成27年(ワ)第10913号:平成28年5月23日判決言渡
平成28年(ネ)第10071号:平成29年1月17日判決言渡
「債務不履行損害賠償請求控訴事件」
米国特許出願において、審査官が補正をすれば許可可能であると審査官補正を提案してきたが、補正応諾の回答時には翻意して結局不許可になっため、補正されず且つ拒絶となり、弁理士が訴えられた事例。出願人は、審査官補正とは別に弁理士が補正書を提出すべき義務があったと主張したが、そのような義務はなかったとして控訴は棄却された。審査官の翻意のせいで弁理士が訴えられたらたまないよね・・・。なお、対象出願は、特願2004-356665US2005/165430と思われる。

平成25年(行ケ)第10210号:平成26年9月3日判決言渡
「審決取消請求事件」
「leadless」を誤って「無鉛」と訳してしまったところ、原文新規事項が存在している疑義がある場合には審査官及び審判官は原文を参照すべきであったと主張した事例。「無鉛」表面実装の構成に至る「動機付け」がない等と主張していたこともあり、誤訳であることに気付かなかったからといって違法・不当な点は見当たらないとして、主張が認められることはなかった。それにしても、原文にあたっても誤訳であることに当然に気付くとはいい難いとまで言われている状態で、原文新規事項追加を主張しちゃって、仮に勝っても拒絶理由が通知されなかったらどうする気だったのだろう・・・勝つ見込みがなかったとか?

平成25年(行コ)第10001号:平成25年9月10日判決言渡
「特許分割出願却下処分取消請求控訴事件」
特許査定後の分割を認める平成18年改正前に出願されたPCT出願について、特許査定後にした分割出願が出願却下され、当該却下処分の取消が争われた事例。原告(出願人)は、現実の出願日が改正法施行後であること等を理由に改正法の適用(つまり、査定後の分割)を認めるように主張したが認められなかった。なお、平成18年改正法附則3条1項の「この法律の施行後にする特許出願」は、分割のもととなる原出願を指すと判示された(つまり、現出願が平成18年改正法施行後に出願されていないと適用がない)。対岸の火事ではないので気をつけなければ・・・。

平成24年(行ウ)第279号:平成25年8月30日判決言渡
「手続却下処分取消等請求事件」
期限データの誤入力→期限管理担当弁理士が包袋を自宅に置いたまま入院→期限管理担当責任者の妻が入院・逝去等の不幸が重なった結果、翻訳文提出特例期間を途過してしまった事例。原告(出願人)は、翻訳文却下処分の取消しを求めて特許庁長官に対して異議申立てを行い、該異議申立てが棄却決定されたため、これらの処分の取消を求めた。異議決定の取消請求については、原告が異議決定の手続的違法などの裁決固有の瑕疵を主張しないことを理由に(却下処分に違法のみを主張したので)棄却された。また、翻訳文提出書却下処分前に補正の機会を与えないことが違法であるとの主張も当然認められなかった。さらに、特184条の4第3項(翻訳文不提出時の出願取下擬制)は特許協力条約が要請する提出期間の緩和規定に劣後するとの主張も、適用は各締約国及び指定官庁の判断に委ねられているとして認められなかった。また、原告は翻訳文提出期間の途過に正当な理由があるとして、改正法の救済規定の適用を主張したが、平成24年4月1日前に翻訳文提出期間が満了していることを理由に認められなかった。

平成24年(行ケ)10261号:平成25年3月25日判決言渡
意識不明等の状態にある弁理士への送達では、拒絶査定の謄本の有効な送達がなされていないとして、拒絶査定不服審判の請求期間が経過していない旨の判断が示された事例。実際の送達からおおよそ2年3月後の拒絶査定不服審判の請求が認められるという稀有な事例である。なお、付言では、拒絶理由通知についても無効であると認定されているが、送達を受領するに足りる意思能力を欠いていたにも関わらず、意見書等を提出できたという奇跡が生じたことは興味深い

平成22年(行ケ)10363号
弁理士が、拒絶査定不服審判の請求書における【審判請求人】欄に、共同出願人の一部の名称のみを記載し、その他の特許出願人の氏名を記載しなかったため、審判請求が却下された事件。幸運にも、「共有者全員が「共同して請求した」といえるかどうかについては,単に審判請求書の請求人欄の記載のみによって判断すべきものではなく,その請求書の全趣旨や当該出願について特許庁が知り得た事情等を勘案して,総合的に判断すべきである。」として、補正命令なしに審決却下した審決が取り消された。

平成22年(行ウ)183号
下の事件の続きです。今度はきちんと請求の原因を記載したもよう。ちなみに、手続き不備の原因が判明。「原告[※特許出願人]が法43条2項に規定された期間内に優先権証明書提出書を提出しなかったのは,原告の特許管理人が,本件出願当時「優先権書類データの交換に基づく優先権書類提出義務の免除」に基づいて既に欧州出願に基づく優先権の主張出願に関しては優先権証明書の提出をする必要がなかったことから,当然,米国出願に基づく優先権主張についても同様であると錯覚し,原告に優先権書類の送付を催促しなかったためである」とのこと。※[]内は管理人による付加。 ・・・もうこれ以上見てられない!
ちなみに、平成19年7月から米国出願も特43条5項の優先権書類の提出擬制を受けられる。ただし、特施規27条の3の3第2項により、「特許庁長官が電磁的方法により書類に記載されている事項の提供を受けようとする際に、当該事項の提供を受けることができる旨の確認ができた場合」に限られる。つまり、米国での事前手続き(電子的交換の許可届)が必要となる

平成22年(行ウ)65号
パリ優先の優先権証明書を、最先の優先権の主張から1年4か月経過後に(補正により)提出した上に、補正却下処分に対して、行政不服審査法による異議申立てを行い、さらに、異議申し立て棄却決定の取消しを求めた事件。判決文では、「決定の取消しを求める本件訴えにおいて原処分の違法を理由とすることは,行政事件訴訟法10条2項により許されない。」とばっさり。請求の原因の記載を間違えたと思われる(間違えなかったとしても認めらないでしょうが)。

平成 21年 (行ケ) 10148号
業務に関する法令及び実務に精通して,公正かつ誠実にその業務を行うべき弁理士(弁理士法3条)としては,特許を受ける権利の共有者全員の代理人となった場合において,共有者のためにその審判を請求するには,当初から,特許法132条3項の規定を遵守して,審判請求書の請求人欄に当事者として共有者全員の氏名を記載してすべきものであることを付言する。」

平成13(ワ)254号
弁理士は,業務に関する法令及び実務に精通して,公正かつ誠実にその業務を行わなければならないこと(弁理士法3条)に照らすと --略-- 被告は,この間の経緯をまったく原告には報告せず,独断で,同手続補正指令書(方式)に従わず,その結果として,平成11年11月5日,本件出願の却下処分を受けたのであるから,被告は,この注意義務に違反したというべきであって,被告には,債務不履行,不法行為の責任が生じる。」

平成 13年 (行ウ) 285号
特許料の納付を行う代理人弁理士は,その職務として平成6年改正法の内容について承知しているはずであるから,本件特許権の特許料の納付を行う原告の代理人弁理士としては,個々の特許権について,平成6年改正法が適用されるのかどうかについて考慮したうえで,特許料の納付につき万全の管理をする注意義務があるというべきである --略-- (原告の代理人弁理士としては,平成10年5月の設定登録時に第4年分の特許料の納付期限を確認することも容易にできたはずであるのに漫然納付期間を徒過し,さらに6か月間の追納期間をも徒過したものであって,その過失は明らかといわざるを得ない。)。」

平成 4年 (行ケ) 32号
「弁理士が、同一の特許権について、あるときは、その権利の行使又は権利の擁護に回り、あるときは一転して、その権利の無効を主張しその権利を攻撃するような行為に及ぶときは、当事者のみならず、広く世人をして、弁理士一般に対する信用を失墜させるおそれがあるばかりでなく、特許権を初めとする工業所有権の法的安定性に疑念を抱かせ、その権利の社会的価値を毀損し、ひいては、工業所有権制度の健全な運営と発展を阻害するに至るおそれがあるといわなければならない。」

昭和 53年 (行ウ) 29号
「本件訴えは弁理士Cが原告の訴訟代理人として提起したものであること及び本件訴えは被告が実用新案登録出願についてした不受理処分の取消しを求めるものであることは、本件記録上明らかである。そして、弁理士が右不受理処分の取消し訴訟を提起する訴訟代理人としての資格を有しないことはいうまでもないから(略)、本件訴えの提起は元来不適法かつ無効であつたことになる。」

昭和 43年 (行ツ) 78号
弁理士Aが、弁理士法8条2号の規定により「特許庁ニ在職中取扱ヒタル事件」についてはその業務を行なうことを禁ぜられているにもかかわらず、あえて右の規定に違反してしたもので、被上告人において異議を述べている以上、これを無効と解するのほかなく、上告人の本訴を不適法として却下した原審の判断は正当である。」

オマケ1
平成20(行コ)10002号
※却下処分取消請求控訴事件(優先権証明書を提出し損ねた事件)

オマケ2
平成 16年 (ワ) 12686号
※損害賠償請求事件(退職弁理士の名前を事務所出版物の執筆者から除外した事件)

オマケ3
昭和52(モ)6887号
※鈴江特許事務所懲戒解雇事件(爆発物取締罰則違反の容疑で逮捕された所員を解雇した事件)

オマケ4:特許庁版
昭和 53年 (行ウ) 153号
「被告において本件手続補正書提出後単なる方式審査のために、方式審査に通常要すべき期間をはるかに超えた二年以上の期間を徒過した著しい手続遅滞が存するのであるから、この場合に、本来補正によつて治癒できる事件の表示の相違のみを理由に、補正を命ずることなく不受理処分に付することは到底許されるべきことではない。」

オマケ5:特許庁版
平成28年(行ケ)第10198号
(出願人が、原審決に記載された相違点1の認定の記述は真実に反することを理由に、審判長審判官及び審判官を虚偽有印公文書作成、同行使罪の被疑者として刑事告訴した(不起訴)ことが開示されている。)

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