弁理士試験-特48条の3第5項と特112条の2第2項 (2018.05.15)

特48条の3第5項と特112条の2第2項

特、権利回復の規定の違い(後用権等) - Let's Go!!
2018/04/18 (Wed) 18:01:40
175条、176条で、「回復までの期間の生産物、実施行為」に、特許権の効力が及ばない、通常実施権が発生する規定です。これは、回復までの期間が、原則3年を上限としていて、長いことが原因のようです。

112条の3は、上記と同様ですが、通常実施権は「発生しない」規定です。H23改正までは、回復容認期間が6月と短かった点が、H6改正本に理由としてあるようですが、H23改正で、1年になってます。

ここで、48条の3の5項は、回復期間が、原則1年と短いですが、79条の先使用権的な通常実施権が与えられます。

この点、112条の3の回復の場合に、いわゆる後用権(48条の3第8項、176条)が認められないのは、バランスを欠いているのではないかと考えますが、そういう理解でよいでしょうか?


Re: 特、権利回復の規定の違い(後用権等) - 管理人
2018/04/20 (Fri) 12:24:05
特48条の3第5項によって、正当な理由による審査請求が認められた場合、その特許出願について特許権の設定の登録がなされるのは、審査を受けた後になります。

そのため、審査請求期間経過後に実施を始めた者は、少なくとも特許権の設定が確実になるまでは、それを継続したいと希望する可能性が高く、長い期間の実施が想定されるため保護価値が高いように思われます。

一方、特112条の2第2項の追納によって特許権が回復した場合、ただちに実施を中止する必要があり、実施期間が短く、保護価値も低いように思われます。

よって、いわゆる後用権が認められないとしても、バランスに欠けるとは思われません。


Re: 特、権利回復の規定の違い(後用権等) - Let's Go!!
2018/04/20 (Fri) 14:18:38
ご回答ありがとうございます。

ですが、この点、まだ、?です。
175条、176条から、回復までの実施行為(その間の生産物等には、その後の実施)に対して与えられる救済(実施者が受けるメリット)は、3種類です。

①対象期間の生産物等: その後も実施可能。
②対象期間の善意の実施行為: 侵害を問われない。
③対象期間の実施である事業、事業準備: 通常実施権付与。

お答えは、②に関してのものだと思いますが、
ここで、改正本等が問題にしており、すべきは、③の事業(継続的、大規模な実施)で、
「回復までの対象期間が短い場合は、事業開始は想定しがたいから、通常実施権付与は不要」
「期間が長いと事業開始が想定できるから、通常実施権付与は必要」という議論ですので、
「単発の実施行為の継続、中止」問題とは、意味が違うと考えるのですが?

そういう意味で、
「昔の6ヶ月は短いが、H23改正で1年になった今は、長いので、事業開始は蓋然性が高いから、通常実施権を付与すべきで、バランスを欠いている」
と考える所です。


Re: 特、権利回復の規定の違い(後用権等) - 管理人
2018/04/20 (Fri) 14:57:39
②のことではないです(開始時期の問題ではなく実施継続期間の長さが問題です)。

つまり、実施(又は準備)開始から特許権侵害開始までの実施継続期間を考えると、特48条の3第8項の場合は、特112条の2第2項の追納の場合よりもはるかに長い可能性が高いのです。

そのため、実施継続期間が短い場合と比較して長くなる場合には、通常実施権付与が必要となる(保護価値がある)ということです。

なお、審査請求されたからという理由のみで、実施を中止しなければならない事由には該当しません。

まぁ、バランスを欠いているとお考えでも、試験に悪影響はありませんけれど・・・


Re: 特、権利回復の規定の違い(後用権等) - Let's Go!!
2018/04/20 (Fri) 20:38:54
ご回答ありがとうございます。

下記考えてみました。

特48条の3第8項の場合: 
 出願から3年経っているので、残り、存続期間上限としては、17年未満(審査、特許に2年かかった場合、残り15年)。

112条の2回復の場合:
 4年目の支払の復活。4年半は経過しているので、残りの存続期間は、15年半

どちらも、侵害者が実施し続けたら、侵害の期間は、大同小異で、通常実施権の価値は同じではないでしょうか?

また、以下の意味が分からないのですが、

>そのため、実施継続期間が短い場合と比較して長くなる場合には、通常実施権付与が必要となる(保護価値がある)ということです。

まだ、審査に入ったばかりの出願は、権利化まで長いですが、その間は、補償金請求権を行使される可能性があるという話位で、

通常実施権は、特許化してからの話ですから、通常実施権を付与されて、どちらが長く、お得感があるかと言えば、112条の2回復(4年目支払ケース)の場合だと思え、そちらにこそ、通常実施権を与えて、保護すべきではないか? と思うのですが?

よろしくお願いいたします。


Re: 特、権利回復の規定の違い(後用権等) - 管理人
2018/04/24 (Tue) 14:56:28
法定通常実施権が認められる理由は、主に公平の観念と、既存設備の保護です。
お得感というものは、理由になりません。

実施継続期間が長い場合には、既存設備の保護が必要になりますが、仮にお得であろうと違法状態が長いに過ぎない場合には、保護価値があるとは判断されないものと思われます。


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任天堂法務部が本当に最強か調べてみた (2018.01.15)

任天堂法務部が本当に最強か調べてみた

任天堂法務部が最強であるという話を聞いたので、
どれくらい訴訟に強いのか調べてみた。
裁判例情報で公開されている日本国内の知財訴訟判決の内、
最終的に実質勝訴した割合(勝訴数/事件数)を調べてみた。

当然、未公開判決や和解などもあるので、
正しいデータではないことはご理解頂きたい。
で、結論から言うと100%の勝訴率で、さすがは最強と言われるだけある。

『実際は敗訴もあるんだよ~』みたなオチをつけようと思ったのだが、
地裁で一回負けてるくらいで全勝だから恐ろしい・・・

勝ち
昭和43(ワ)1041号「実用新案権侵害事件」 原告LEGO VS 被告任天堂 →原告の請求を棄却

勝ち
平成14(行ケ)478号「審決取消請求事件」 原告任天堂等 VS 被告データイースト →一部審決を取り消す

勝ち(一審は負け)
平成13(ワ)15594号「不正競争行為差止等請求事件」 原告任天堂等 VS 被告エンターブレイン等 →原告の請求を棄却
平成14(ネ)6311号 「不正競争行為差止等請求控訴事件 」 原告任天堂等 VS 被告エンターブレイン等 →賠償金の支払い命令

勝ち
平成15(ワ)23079号「損害賠償請求事件」 原告タクトロン VS 被告任天堂 →原告の請求を棄却
平成18(ネ)10007号「損害賠償請求控訴事件」 原告タクトロン VS 被告任天堂 →原告の控訴を棄却

勝ち
平成16年(ワ)11209号「損害賠償等請求事件」 原告任天堂等 VS 被告大創等 →任天堂等に100万円を支払い謝罪広告を掲載することで和解

勝ち
平成19(ワ)32196号「不当利得返還請求事件」 原告タクトロン VS 被告任天堂 →原告の請求を棄却

勝ち
平成20(ワ)20886号等「不正競争行為差止請求事件」 原告任天堂等 VS 被告嘉年華等 →被告製品(マジコン)の譲渡等を差止

勝ち
平成20(ワ)4056号「損害賠償請求事件」 原告池上インキュベーター VS 被告任天堂 →原告の請求を棄却

勝ち
平成21(ワ)40515号等「不正競争行為差止等請求事件」原告任天堂等 VS 被告マジカルカンパニー等 →被告製品(マジコン)の譲渡等を差止、及び賠償金の支払い命令
平成25(ネ)10067号「不正競争行為差止等請求控訴事件」原告任天堂等 VS 被告メディアフォース等 →被告の控訴を棄却

※マリカーの商標登録異議申立事件は、特許庁内の手続きなので上の調査範囲には含まれません。

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